印刷物とデジタル:補完的戦略?

Posted by Kate Goldsmith on Wednesday, 11 April 2018

印刷物は過去のものとなったのでしょうか?そんな話題が出てからしばらく経ちますが、実際のところ印刷物の数は減っているものの、いまだにパブリッシャーの収益の大部分を占めています。

ヨーロッパの大手メディア企業と提携するMPP Globalは、パブリッシャーが印刷物と有料コンテンツの戦略を補完し合って、特に広告ブロックを考慮して収益とサブスクライバーの数を増やせる方法をはっきりと理解しています。

バンドル化モデル

印刷物の数が減少する今、バンドル化したサブスクリプションを顧客に提供することは、印刷物の流通を保護および維持したいと願うパブリッシャーによってよく実施される手法です。サブスクリプションに印刷物とデジタルサービスの両方を含めることで、デジタルの売り上げを伸ばしながら印刷物を低価格で提供できます。

ファイナンシャル・タイムズでは、顧客はスタンダードデジタル、プレミアムデジタル、印刷物のみ、新聞+プレミアムデジタルからサブスクリプションを選べます。新聞+プレミアムデジタルの組み合わせは、プレミアムと印刷物のみを個別に購入した場合よりも£5以上安く、このサービスによって英国内の総計読者数は54万人を超えました。

このモデルを選択肢として提供することで、パブリッシャーは幅広い読者にリーチでき、広告収入以外で印刷物とデジタルサブスクリプションのみの収益源を増やせます。

バウチャーコードとリワード

バウチャーは顧客獲得数の増加と忠実な顧客への報酬を実現するために欠かせない戦術です。この目的のためにマーケティングツールを使えば、例えば印刷物に掲載してデジタルサービスの1週間値引きを提供するバウチャーやリワードのコードを作成できます。同様に、6日間のオンラインアクセスと日曜新聞(印刷物)を利用できるデジタルサブスクライバーになれるバウチャーを作成して、顧客が両方のサービスを利用するようにすることもできます。

このリワード戦術を利用したパブリッシャーには、デイリー・メールがあります。同社は新聞にMyMailリワードを掲載し、メンバーはコードを集めてMyMailアカウントに保管し、好きなリワードやキャンペーンにアクセスできるというサービスを行いました。MyMailには現在、100万人以上が登録しています。

マーケティングツールを利用してバウチャーやリワードのコードを作成することで、パブリッシャーは既存の顧客やサブスクライバーを他のサービスに促し、顧客獲得数と収益の拡大を狙えます。

一元化された顧客表示機能

パブリッシャーにとって、利用および支払いがされている全サービスのサブスクライバーをまとめて表示できることは必須の機能です。印刷物、デジタル、すべてのサブスクライバーを一つのプラットフォームに包括することで、重要な情報を集中管理し、動向、顧客、収益のデータを総体的に集めて表示できます。この機能で得られる情報によってサービスを向上でき、バウチャーやリワードのターゲットを効果的に決定し、運営をスムーズにできるほか、サブスクライバーを保持できる可能性も高まります。

出版業界の事例からわかることは、印刷物は収益源となるビジネスでいまだに重要な役割を担っているものの、印刷物とデジタルの戦略を一元化し、すべてのサブスクライバーの情報を集中管理して、読者を効果的に理解してサービスや経営判断を向上させていく必要があるということです。

ウェビナー:有効な有料コンテンツ戦略

ウェビナー「有効な有料コンテンツ戦略:顧客獲得、コンバージョン、リテンション」では、有料コンテンツに関するインサイトを紹介しています。サービスの成長、有効な戦略、大手企業が実践しているモデルやサービス、パブリッシャーが特に成功している点についてお話しします。