Amazonの定期おトク便は食料品の買い物の未来か?

Julian Morelis Wednesday, 11 April 2018

インターネットにより食料品の買い物手段が変化しつつあり、世界のネット小売販売の売上は2020年には$27兆に達すると予測されています。混雑するスーパーに行かなくても買い物ができるという利便性は確かにネットショッピングの大きな利点ですが、消費者はこれまでのように「1週間分の食材をまとめ買い」することで最もお得に買い物ができているのでしょうか?

As with almost all other aspects of our retail lives, Amazon has its eye on dominating the grocery market. Having launched Amazon Fresh a decade ago and slowly rolled it out across select global cities, it has also added Prime Pantry and last year acquired Whole Foods to give it access to brick-and-mortar grocery stores. 弊社が提携する多くの小売企業がそうであるように、Amazonは食料品マーケットで優位に立つことに注目しています。10年前にAmazonフレッシュを始動し、徐々に世界各都市でロールアウトしていくなかでAmazonパントリーも追加して、昨年にはWhole Foodsを買収して実店舗のある食料品店にもアクセスできるようにしました。

This month it launched its own store, Amazon Go, in Seattle, with ‘Just Walk Out’ technology that replaces the traditional check-out with an automated system that charges customers for the products they have scanned when they leave. However, this has already been criticised for making it too easy for people to lose track of the amount of money they are spending [2]. 今月、シアトルに自社の店舗Amazon Goをオープンし、従来のレジではなく、顧客が店舗を出る際に持っている商品をスキャンして課金する自動システム「ジャスト・ウォークアウト」技術を導入しました。しかし、この技術は使用するお金を把握する金銭感覚を簡単に失わせるという批判もあります。

Amazonがサービスの幅を広げるなかで、定期おトク便は最も有名なサービスではないかもしれませんが、消費者に主な食料品の買い物のユニークな手段を提供することは確かです。このサービスで謳われているお得さによって、人が毎週スーパーに買い物に行くという習慣がサブスクリプションモデルに変わることはあり得るでしょうか?

小売のサブスクリプションは今後普及していくか?

今のところ、他の多くの分野では人気があるものの、小売のサブスクリプションは英国ではなかなか定着していません。Tesco、Sainsbury’s、Asda、Morrisonsはすべて宅配サブスクリプションパスを提供し、顧客がお得な配送料でネット注文できるようにしています。ただし、Tescoは昨年サブスクリプション料金を値上げした際に非難を浴びました[3]。

AsdaとMorrisonsは「ふぞろい野菜」ボックスによってサブスクリプション型食料品に慎重に足を踏み入れましたが、このサービスはまだ小さなステップにすぎません。経常収益を得られ、顧客の生涯価値を上げられるため、小売業者にとってのサブスクリプションのメリットは明らかですが、消費者にとってもシャンプー、トイレットペーパー、掃除用品などの補充可能な必需品が定期的に自動で配達されることは便利です。

消費者がこうした商品を1回ずつではなくサブスクリプションで購入するもう一つのメリットは、コスト削減です。Amazonは定期おトク便の宣伝文句として、「多数のお気に入り商品をさらにお得に購入」でき、各月に受け取るサブスクリプション商品を増やすほど、よりお得になると言っています。通常、最大15%お得になり、配送料は無料です。

しかし、Amazonでサブスクリプションして購入した場合のお得さは、同じ商品を大手スーパーで購入した場合よりも大きいでしょうか?地味な商品が少しお得になってもあまり注目されませんが、それが1年分まとまると、以下の表からわかるように従来の小売店舗よりもAmazonの方がお得であることがわかります。

定期おトク便…いいかも?

しかし、定期おトク便には常に批評も付きまとっていて、他の国に比べて長くこのサービスを実施している米国内には確実に批判があります。2016年、ニューヨークタイムズの記事[3]で、サブスクライバーに請求する商品価格の変更管理方法に欠陥がある可能性が指摘されました。

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物知りな消費者はさらにお得に買い物をする方法を探しているため、定期おトク便は、人々をネットショッピングに引き込む利便性を維持しながらも、成長の可能性を持ったモデルで、最近インドでも始動されました[8]。

また、小売のサブスクリプションは消費者にとってまったく馴染みのない食料品販売のビジネスモデルではありません。遡れば、かつては牛乳配達人が最も一般的な牛乳の購入経路でした。

スーパーの競争力のある価格は業界をつぶしたも同然ですが、消費者直販型の小売サブスクリプションの上昇によりブランドは顧客と直接関わり、AmazonやTescoなどに完全に打ち勝って業界に元の活気を戻しつつあります。

スーパーの競争力のある価格は業界をつぶしたも同然ですが、消費者直販型の小売サブスクリプションの上昇によりブランドは顧客と直接関わり、AmazonやTescoなどに完全に打ち勝って業界に元の活気を戻しつつあります。

現在、D2C小売サブスクリプションマーケットの多くは、高級商品を求めていて高額な料金を支払える顧客をターゲットにしています。今のところ成功している企業には、新米ママ向けのサブスクリプションを提供するThe Honest Co[9]、食料品マーケットを妨害して何百万人ものサブスクライバーが登録し、最終的にUnileverに買収されたDollar Shave Clubがあります。

Amazonの定期おトク便をとおしてではなく、顧客に直接販売するメリットの一つは、獲得したデータを利用して顧客を理解し、顧客離れを防ぐ最善の方法を知れることです。定期おトク便を使うと、顧客のデータを保管するのは販売商品のブランドではなくAmazonになります。

自社独自の小売サブスクリプションを始動するための別の方法を見つけることは、ブランドが$27兆にもなるネットショッピングの売上の取り分を伸ばす最善の方法になってきています。弊社の小売スペシャリストに問い合わせて、経常収益を伸ばす方法について話しましょう。

参照:

  1. https://www.emarketer.com/Article/Worldwide-Retail-Ecommerce-Sales-Will-Reach-1915-Trillion-This-Year/1014369
  2. https://www.cnbc.com/2018/01/23/amazon-go-grocery-store-could-actually-be-bad-for-your-wallet.html 
  3. https://www.thesun.co.uk/money/3537742/tesco-annoys-shoppers-delivery-subscription-price-increase/
  4. https://www.nytimes.com/2016/08/25/technology/personaltech/subscribe-and-save-on-amazon-dont-count-on-it.html
  5. http://time.com/money/4466333/amazons-subscribe-save-prices-increase/
  6. https://medium.com/@ddcurrie/amazons-subscribe-and-save-bait-and-switch-8f782f918e28
  7. https://www.wsj.com/articles/amazon-to-add-dozens-of-brands-to-dash-buttons-but-do-shoppers-want-them-1466970276
  8. https://gadgets.ndtv.com/internet/news/amazon-launches-subscribe-and-save-store-in-india-825560
  9. https://www.honest.com/